SPDなのに、面で踏める。Wolftooth DEL Gravelペダル実走レビュー

2025年12月14日by miyazakisayaka

こんにちは。オンライン担当の宮崎です。

この秋にWolftooth(ウルフトゥース)から新しく発売されたクリップレスペダル DEL Gravel 。展示会で実物を見た瞬間に「これは絶対ほしい…!」と直感的に思い、じつは即注文してました。今回は、その使用レビューをお届けします。


Wolftoothとは?そして私が即注文した理由

ウルフトゥースのDELグラベルのパープルをEロードへ取り付け

Wolftoothは、アルミのCNC削り出しパーツを得意とするアメリカのブランド。精度の高さとデザイン性の良さ、そして発色のきれいなアルマイトカラーが魅力です。ロゴのオオカミマークもかわいい。

私はもともとWolftooth好きということもあり、展示会で新型クリップレスペダルを見た瞬間、

  • 目の覚めるような美しいパープル
  • SPD対応
  • 軽量
  • Qファクター調整が可能

この4つのポイントに心をつかまれ、「これ欲しい!」と直感で動いたアイテムでした。


Wolftoothクリップレスペダル3種類の違い

今回登場したクリップレスペダルは以下の3種類。すべてシマノSPDクリートと互換性があり、厚さ15mmの薄型設計です。

DELのパープルとCTRLのブラックをパッケージとともに店舗にて撮影

① CTRL Trail(コントロールトレイル)

両面SPD。プラットフォームが最も広く、安定感とコントロール性、パワー伝達を重視する方向け。
CTRL Trail Clipless Pedal商品詳細

② ALT XC(オルト クロスカントリー)

こちらも両面SPD。プラットフォーム幅は最小ですが、シューズがペダル本体に接触する設計で高い効率を実現します。軽快さとレスポンス重視。
ALT XC Clipless Pedal商品詳細

③ DEL Gravel(デリート グラベル)

片面SPD。TrailとXCの中間サイズで、横幅が広いぶん安定感が高く、それでいて軽量。グラベルや長距離にも向くバランス型。
DEL Gravel Clipless Pedal 商品詳細


なぜ DEL Gravel を選んだのか?

私はその中から、ロードバイクに取り付けをするにDEL Gravelをチョイス。理由は明確で、「軽さ」と「安定性」のバランスが絶妙だったからです。

  • 重量216g(以前のCandy1より78g軽い)
  • Eバイクでも24km/h以上は自力勝負=軽量化は大事
  • 裏面にも平らな部分がある
  • 片面SPDでも普段の走り方ならまったく問題なし
DELグラベルペダルの裏面、シャフトに平らな部分がある

特に裏面にも平らな形状部があることは、片面SPDにありがちな「裏に乗ったらツルッと滑る」のリスクを最小限に抑えられます。これは地味にありがたいポイントです。

もちろん裏面はクリートで多少削れますが…それも味ですね。


“革命的に簡単” Qファクター調整の方法

このペダル最大の特徴のひとつが、六角レンチだけでQファクターを変えられること。しかも、別売りの軸パーツなども不要。

なんと、ベアリングとワッシャーの順番を替えるだけという簡単さ。標準で 51 / 55 / 59 mm の3段階に変更可能です。

シャフトを外すために六角レンチを使用

使用工具

  • 六角レンチ:3mm / 6mm / 8mm

手順(簡単にですが)

  1. 外側の固定ボルトを6mmで外す(左右とも正ネジ)
  2. 8mmでシャフトを保持しつつ、3mmでアクスルボルトを外す ※右ペダルは逆ネジ、左ペダルは正ネジ
  3. シャフトを抜く
  4. ペダル内のスペーサーとベアリングを並び替える
  5. アクスルボルトを5Nm、エンドキャップを7Nmで締めて完了

公式マニュアルはこちら:

Wolftooth Clipless Pedal User Manual

 

Qファクター51、55、59mmのときのベアリングとスペーサーの順序一覧

DEL GravelはじめWolftoothのクリップレスペダルは、上の写真のようにペダル内部のベアリングとスペーサーの並びを入れ替えるだけで51mm / 55mm / 59mmに変更できます。

作業自体も拍子抜けするほど簡単です。

私はDomane+SLR 7に乗っているのですが、アシストユニットの影響で通常のロードバイクよりもともとQファクターが広め。さらにMTB用クランクにカスタムしているので、安定感はあるものの「自分の体格には広すぎる?」と感じていました。少しでもいいから狭くしたかったので、こんなに手軽に51㎜にできたのはうれしいです。

実際の使用レビュー:面で踏めるSPDは正義

このペダルを実際に使ってみて感じた一番の魅力、それは「点で踏むSPD → 面で踏むSPD」であるということです。

実際にロードバイクに乗ったときのシューズ後ろ側

DEL Gravelは横幅がしっかりあるので、シューズのアウトソールが自然にペダルに当たります。これまでのSPDペダルだと、どうしてもクリートの一点で踏んでいる感じが残っていましたが、このペダルは足幅いっぱいにペダルを押している感触がはっきりあります。

なので踏み込んだ瞬間の安定感がまるで違います。力をかけたときに足元がブレず、「今ちゃんと踏めているな」と分かる感覚。SPD-SLまではいかないけれど、足元の心強さがあります。

グラベルや荒れた路面でも、不安が出にくいのはこのプラットフォームの広さのおかげだと思います。しかもボディ中央が大きく抜けたデザインなので、泥や砂利が詰まりにくく、オフロードでも嫌な感じがありません。

ペダルにステップインした状態を後ろ方向から

「SPDは歩きやすいけど踏み味はそこそこ」というイメージを、いい意味で裏切ってくれるペダルです。

同じペダルを購入した大宮店の猪瀬も、

「面で踏めてめっちゃいいっす、SPDならこれ1択っす」

と言っていて、激しく同感です。

これまで使っていたクランクブラザーズのCandyは、4面キャッチでステップインがとても軽く、その快適さは今も好きです。

ただ、DEL Gravelに替えてから感じるのは、踏んだときの安定感の違い。Candyが「軽快で自由」だとしたら、DEL Gravelは「どっしり安心」。特に長距離や踏みたいとき、荒れた路面では、この安定感が効いてきます。

どちらが優れている、というよりも、用途と好みの違い。今の私にはDEL Gravelの安定感がいい感じです。


付属クリートも高性能(マルチエントリー)

付属するクリートはWolftoothブランドながら、シマノの新型CL-MT001と同じマルチエントリータイプ。SPD互換です。

付属のクリートをシューズに取り付け

正直、私はつま先でひっかけてはめるクセが抜けず、マルチエントリーの恩恵を100%使いこなせてはいないのですが…。

ただ私が感じたのは乗り出しのときの便利さです。

トップチューブにまたがって片足嵌める際に、つま先からステップインすると勢いでバイクが前に進みそうになったりしますが、かかとから入れても嵌まるのでその心配がなく安心。

そしてライド中も今までよりざっくり位置合わせて踏めばスッと入る感覚はあるので、はじめてのビンディングにマルチエントリーはかなり良い選択肢だと思います。


まとめ:また良いものに出会ってしまった

ペダルにシューズをはめた状態を真横から撮影

軽くて、安定していて、Qファクター調整も簡単。SPDペダルに求めていた要素が、かなり高いレベルでまとまったペダルだと思います。

正直、またひとつ「いいものに出会ってしまったな」という気持ちです。

現在は発売以来の人気で入荷待ちのカラーもありますが、再入荷もちょこちょこしておりますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

Wolftooth商品一覧

宮崎 早香(Miyazaki Sayaka)

宮崎 早香(Miyazaki Sayaka)

バイクプラスオンライン店長自転車ショップ勤務歴13年

東京から伊勢への自転車旅をきっかけにスポーツバイクの魅力に惹かれ、編集者から自転車業界へ転身。組み立てや修理を学び、2018年に女性初の店長に就任。複数の新店立ち上げやメディア取材も経験。EロードでのヒルクライムやE-MTBでのトレイルライドを楽しみ、ツアー開催やカスタム提案も行う。主婦としての視点から「普段使いできるスポーツバイク」を提案し、運動が苦手でも誰もが気軽に楽しめるサイクリングライフを発信している。

専門/得意分野
  • ロードバイク/マウンテンバイク/クロスバイクの販売整備
  • E-RoadやE-MTBの普及活動
  • Eバイクでのヒルクライム&トレイルライド/ポタリング/自転車キャンプ
保有資格
  • Keeperコーティング技術バイシクルコース終了
  • TREK プレシジョンフィッター認定
  • TREK University 2025認定ガイド取得

所沢店の中の様子をガラス越しに撮影した写真

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